BAD PAPAの気ままな日々


by hisayuki320
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★ トラウマ (長文)

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その日ヒサユキ君はご機嫌だったヨ
だって初めてお父ちゃんと電車でお出かけなんだもの
いつも出かける時はお父ちゃんの車でお出かけ
ビュンビユンととばすお父ちゃんの車が大好きなヒサユキ君は、いつも助手席でおもちゃのハンドルをお父ちゃんの動きに合わせて回してた
新幹線に始めて乗った時なんか
「どうだった、新幹線?」っておじいちゃんに聞かれた時
「お父ちゃんの車の方が速かった!」って胸を張って言ってたヨ

そんなお父ちゃんと二人っきりで電車に乗ってお出かけ
しかも「新宿」って言う駅までだよっ
いつも一杯人がいるし、お買い物する場所の上の方にはオムライスに旗がたってる「お子様ランチ」が食べれるかもしれないし!
エレベーターやエスカレーターって人が乗ると動くのまであるんだよっ
下におりて行くと一杯食べ物が売っていて味見もできるんだよっ、お母ちゃんと来る時はお姉ちゃんと二人でグルグルまわってイッパイ味見しちゃうヒサユキ君でした

しかも今日はヒサユキ君がもっとワクワクする事があるんだよっ
ヒサユキ君はもうすぐピカピカの一年生
きょうは入学式に着て行く新しいお洋服を取りにきたんだヨ
いつも親戚のお兄ちゃん達のお古ばかりだったヒサユキ君は大喜び
スキップしながらお父ちゃんの後をついて行き着ます

昨日だって新しいランドセルを貰って大喜びのヒサユキ君
おばあちゃんに「もういい加減にしてしまっておきなさい!」って怒られるまでランドセルを背負っていまいた
夜になると仲良しのキミコおばちゃんがランドセルにマジックで
ヒサユキ君の名前と住所と電話番号を書いてくれました
キミコおばちゃんはヒサユキ君に優しい声で
「ヒサユキちゃん、もうスグ一年生でお兄ちゃんなんだから住所と電話番号は覚えておくんだよっ!」
「ヒサユキちゃんの住所は?って聞かれたら東京都府中市○×町○-×-△
 電話番号は?って聞かれたら0423-6×-○×△□て答えられないと小学校には行けないんだよっ!」って言いました
小学校に早く行きたくてしかたがないヒサユキ君はキミコおばちゃんに
「ぼくお兄ちゃんだから大丈夫だよっ!
 字だってオバちゃんが教えてくれたから読めるもん
 住所がとうきょうと・・・電話は・・・・・」と、一生懸命覚えてました

ピカピカのブレザーを受取ったヒサユキ君
「お父ちゃんと同じ大人の服だねっ!」なんて自慢げです

旗がたってるお子様ランチは残念ながら無かったけど
ヒサユキ君は大満足!
お父ちゃんが持ってくれたピカピカのブレザーが入った箱を嬉しそうに眺めながらお父ちゃんの後ろをついて行きます

駅の近くまで来るとお父ちゃんが言いました
「ヒサユキ、お父ちゃんはおじいちゃんが大好きな甘栗を買ってくるからココで待ってるんだぞっ!」
そう言ってお父ちゃんは売店へ甘栗を買いに行きました
遠くに甘栗を買ってる父ちゃんの後姿が見えます
ヒサユキ君は、おうちのコタツでおじいちゃん達と甘栗を食べてピカピカのブレザーを着て見せてる自分を思い浮かべワクワクッ

フッとヒサユキ君が甘栗屋さんの方をみるとお父ちゃんの姿が見えません
「???あれっ???」
ヒサユキ君の方に向かって歩いてくる大勢の人ごみの中にお父ちゃんの顔をさがしたヨ
何処にもいない・・・・
お父ちゃんはココでまってろって言ってたもん
僕はもうすぐ小学校に行くんだもん
お兄ちゃんだもん
とジッとお父ちゃんが戻るのを待ってるヒサユキ君

目の前を通り過ぎて行くのは知らないおじさん達ばかり

ヒサユキ君は小さな声で「お父ちゃん」って呼んでみました

でもお父ちゃんの姿は見えません

今度はもうちょっと大きな声で呼んでみました「お父ちゃん」

近所のおじさん達だったら「おっどうしたんだっ?ヒサユキちゃん」って言ってくれるのに

ヒサユキちゃんは大きな声で叫んでみました「お父ちゃーん!」
そのとたんヒサユキ君の目から涙が溢れてきました
僕はおにいちゃんだし小学校に行くんだから泣いちゃダメなんだ!そう思ってても涙は止まりません
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「お父ちゃ~ん、お父ちゃ~ん・・・・」
何度も何度も叫びました

すると温かい女の人の手が頭を撫でてくれました
「お母ちゃん?」と見上げた先には見知らぬオバさんの顔
ヒサユキちゃんはマタ泣き始めます

「坊や、迷子なの?」
オバちゃんの問いかけに答えようとしたけどムセてしまい答えられないヒサユキ君

オバちゃんはヒサユキ君の手をやさしく握ると歩き出しました
「お父ちゃんがココにいろって言ったもん」って言おうとしたげ言葉になりません
10メーターも歩くと真っ赤な電球の着いた小さなお家につきました
ヒサユキ君がその場所を交番って場所なのを知ったのは、もうチョット後の事でした

オバさんに手をひかれ中に入るとオマワリさんがいました
オバさんはオマワリさんとチョットだけお話しをするとヒサユキ君を置いて行ってしまいました
オマワリさん二人っきりになったヒサユキ君はマタマタ大泣きです
「お父ちゃ~ん、うわ~んっ、おどヴぢゃ~んん、お△×ぢ凸◎~□・・・・」
いくら呼んでもお父ちゃんは来ません

オマワリさんは優しくヒサユキ君に聞きました
「ボクっお名前は?」
ヒサユキ君は一生懸命答えます
「△◎っ、うっ、ぐすっ・・・・ヒサユキ」
「おおっ坊やエライなぁ~っ、じゃあ住所も言えるのかなぁ?」
ヒサユキ君は昨日の夜キミコおばちゃんに教えてもらったとおりに答えます
「ヴぅ゛・・東京都府中市○×町○-×-△ぐすっ」
泣きながらも一生懸命答えるヒサユキ君
「えらいなぁ~っ、じゃあ電話番号も言えるのかなぁ?」と優しくおまわりさんが聞きます
「ズッグスッ0423-6×-○×△□」
それから後の事は怖いのと心配なのと寂しかったのしか覚えてないヒサユキ君

でも人ごみの向こうから走ってくる父ちゃんの姿と、優しかったおまわりさんに父ちゃんが叱られてたのはチョットだけ覚えてます。

そして大きくなったヒサユキ君は新宿駅の交番前を通る度に思い出すのです、その時の光景
を!
そして自分は決してそんな親にならないと誓うのでした、笑っ!

昨日、銀座へ行くのに通った新宿の地下道の交番前、自分が置き去りにされた柱はタイルから電装に変わっていたが今でも胸が痛くなる場所である。
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by hisayuki320 | 2008-01-20 18:53 |